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加東市における綴方教育    ~坂本遼さんの精神を受け継いで~

                             加東市   中村 千恵子

 

 

坂本遼学習 (東条東小学校)   ~坂本遼さんの母校として~

   平成20年度から 現在(平成26年3月)まで5年間継続

 

   坂本遼作品読解  「春」「日向」「お鶴の死と俺」「れんげ畑」、校歌 等

   坂本遼年表、生家訪問、

       「遼さんの教え、「きりん」掲載の児童詩、詩作 など

 

       教師の研修・・・故山本英孝先生、甲斐史子姫路文学館学芸員

 

 

学校詩集 「たんぽぽの詩」 (福田小学校) ~詩のある学校づくりとして~

 

 ・平成18年度から発行

  (25年度 第8号)

 

 ・全校生の詩を掲載   

 

 

          たんぽぽの詩

              福田小学校 平成十八年度六年 児童

 

          たとえば今、たんぽぽが咲いていたら、

          あたたかいなって思える。

 

          たんぽぽって、

          小さな一つ一つの花が集まって、

          一つの命があって、

          心があって、

          一つ一つがあたたかい。

 

          小さな一つ一つの花は、

          一つ一つ見えるものがちがって、

          一つ一つ考えることもちがって、

          一つ一つ心を持ってて、

          一つ一つがあたたかい。

 

          福田小学校、たんぽぽの詩。

          心があたたかい人たちのあつまり。

 

 

 ・毎週、学年ごとに輪番制で昇降口に子どもの詩と

    教師が選んだ「子どもに出会わせたい詩」を一編ずつ掲示

 

 ・「子どもに出会わせたい50の詩」詩集

   第2号まで作成

 

 

綴方教育への取り組み(中村)

  

 ・書くことの日常化

   日記(宿題として)

   詩 (授業として、また、少しの時間を活用して)

 

 ・書いたものを一枚文集にして発行し、

    仲間と読み合い、話し合う。

 

 ☆なぜ、詩・綴方を書くのか。

 ①子どもの成長

   感性を磨き、言葉の力を育てる。

   みずみずしい感覚と感受性を養う。

   何気なく過ごしている日常生活の再発見。

   書きながら思考をより深いものにしていく。

          ⬆️

            生活の事実をありのままに見つめ、言葉で表現すること、

            自己の心を深くほり起こし、綴方を通して人柄をねることを訴えてきた

            坂本氏の綴方・詩に対する考え方と通じる。

              

 ②子ども理解

 

 ③学級集団づくり(共感し合う仲間)

 

 

 

 

 

○遼さんの教え

 

詩・綴方ほどやさしいものはありません

                                       坂本 遼

 

綴方はだれでもかけます

詩はだれでもかけます

詩・綴方は行いでかきましょう

詩・綴方は心でかきましょう

ことばでかくのはやめましょう

ほんとうのことをかきましょう

したままをかきましよう

見たままをかきましょう

きいたままをかきましよう

かんじたままをきましよう

こころをゆさぶるものをかきましよう

かわつたことをかきましよう

ありふれたことをかきましよう

まねをするのはやめましよう

なぜ詩や綴方をかくのでしょう

  こころをうつくしくするために

  心のはたらきをこまやかにするために

 

 

            「こどもの綴方・詩」(創元社)より

 

 

 

綴方教室

         坂本 遼

 

 

綴方ほどやさしいものはありません。みたまゝ、きいたまゝ、感じたまゝ

そのまま書けばよいからです。「こくご」のことばをしらなければ、

いつも、おともだちと、はなしていることばで書けばよいのです。

かんじをしらなければ、ひらがなで書けばよろしい。ありのまゝを、

ふだんつかっていることばで書くほどやさしいことはありません。

 

(中略)

 

たゝ一つ、いちばんあとで、みなさんにいつておきたいことがあります。

それは、綴方は、はじめは、やさしいが、綴方がすきになって、

書いていけば書いていくほどむつかしくなるということです。

こゝをどういうふうに書きあらわしたらよいか、どれを、さきにして

どれをあとにしたらよいか。こんないろいろのことをかんがえるようになります。

五十書くより百、百書くより千というふうに書けばかくほど

むつかしくなってゆくものだということをおぼえておいてください。

「綴方ほどやさしいものはない」「綴方ほどむつかしいものはない」

この二つは、まるではんたいなんですが、どちらもほんとうなんです。

 

 

                                                                                     「きりん」より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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